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10月に入り、庭の金木犀の香りが、窓からふわっと部屋に漂ってくる季節になりました。
玄関に母が飾ってくれた金木犀も、帰宅するたびにやさしい香りで迎えてくれます。
車を運転していて信号で車を止めたとき、窓からふと漂ってきた香りに気づき、横を見ると、やはりそこにも金木犀の木がありました。

UNIAMBERのフレグランスを製作するにあたり、まず最初に「テーマとなる香り」を決めました。
私が選んだのは、大好きな金木犀の香り。
「FOR DAYTIME」の香りは、この金木犀をテーマにしています。

甘くやさしい金木犀の香りが、午後の疲れをそっと癒してくれる存在になればと思い、この香りを選びました。
とはいえ、甘すぎる香りは重たく感じてしまうこともあるため、「爽やかな甘さ」を意識して調香しています。

「FOR DAYTIME」は、ユニセックスで使いやすい、軽やかで心地よい香りです。
柑橘系やスパイス系の要素も加わっているため、金木犀の香りが苦手な方でも楽しめるように仕上げています。

香りのバランスを大切にしたことで、金木犀を感じる方は少ないかもしれません。
でも、だからこそ、甘すぎず爽やかで、親しみやすい「癒しの香り」になるのではないかと感じています。

少し余談になりますが
数日前、部屋の椅子に座っていたとき、ふと祖母の香りを感じることがありました。
すでに他界していますが、あのときはふらりと遊びに来てくれたのかもしれません。

それはフレグランスとはまた違う、「記憶に結びついた香り」でした。
香りには、人の心に寄り添い、記憶や安心を呼び起こしてくれる力があると思っています。

「FOR DAYTIME」が、癒しの香りとなりますように。